467 引き出す

あなたの部下や顧客に質問し、答えを受け取ったことを伝え、促し、相手の思考のシャッターを上げましょう。

「引き出す」とは、相手さえもまだ自分の内側に眠ることにきづいていない情報を引き上げ、新たな行動の指針となる知識に変えていくことです。あなたの部下や顧客は仕事をうまくいかせるための十分な情報を自らの中に持っているかもしれません。誰かが引き出さなければ永遠に口にされることのない思いや考えが内側にあるかもしれません。真剣に引き出してくれる人がひとりいるだけで、その人の人生はずっと豊かなものになるでしょう。

では、具体的にはどのようにすれば、人から引き出すことができるでしょうか。人と人が向かい合えば、たとえそれが親子であったとしても、ある種の摩擦が生じます。人は基本的に自分以外の人間に対して防衛を働かせているからです。厚いシャッターが下りたままでは、その向こう側にあるものを引き出すのは容易なことではありません。
引き出すための第一歩は、相手がおろしているシャッターを少しでもあげることです。そしてシャッターを上げるには、常日頃から「通りがかりの一言」を大切にする必要があります。「おはよう」「ありがとう」そんな当たり前の一言にどれだけ気持ちをこめられるかで、シャッターの上がり下がりは変化します。向かい合ってからはじめて重く閉ざしたシャッターに手をかけるのでは遅すぎます。

その上で、引き出すために質問をします。そして、ひとつ答えを受け取ったら、受け取ったことをちゃんと相手に伝えます。「そうなんだね」「そんなふうに考えていたんだね」それからさらに相手を自由にします。「それで」「「それから」「もっときかせてよ」話の細部に対して関心が生まれたら、また質問します。そしてまた、受け取って、受け取ったことを伝え、促し、質問する。この過程が繰り返されることによって、相手は引き出されたんだという実感を持ちます。
目の前の人の能力や気持ちや考えを引き出してみよう、そう思った瞬間に、あなたはその人にとっての、その瞬間における人生の良きパートナーとなるのです。

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