自我の克服、すなわち自我滅却が意味するものは、「低次の自我を捨て去ること」であり、「心の中から、分離や不和、苦悩、病気、悲しみなどにつながる、あらゆる要素を排除すること」です。
滅却されるべき自我は、無益な、悲しみを生み出すだけの、以下の十の要素で構成されています。
①過度の欲情 ②憎しみ ③強欲 ④自己愛 ⑤利己心 ⑥虚栄心 ⑦過度のプライド ⑧疑い ⑨不道徳 ⑩不正直
これらの十の要素は誤った願望の源であり、これらを完全に捨て去ることが自我を克服(滅却)することです。
そして高次(真の)自我は、以下の十の要素で構成されています。
①誠意 ②忍耐 ③慎み深さ ④自己犠牲 ⑤道徳心 ⑥勇気 ⑦理解 ⑧知恵 ⑨思いやり ⑩愛
自我の克服とは、心の中から、気高い、誠実な、永遠に持続する要素を何ひとつ放棄することなく、卑しい、誤った、すぐに過ぎ去っていく要素のみを放棄することです。
自我の克服とは、喜びを「貪欲に求める姿勢」を排除することであり、喜びそのものを排除することではありません。
自我の克服とは、楽しみを「身勝手に求める姿勢」をなくすことであり、楽しみそのものを否定することではありません。
自我の克服とは、愛やパワーを「利己的に求める姿勢」を排除することであり、それら自体の入手を否定することではありません。
自我の克服とは、人々を引き寄せ、心の通いあう調和に満ちた仲間の形成に貢献する、あらゆる要素を保持することです。
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